寒い家にガマンして住んでいる?高気密高断熱住宅が健康に優しい理由 

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寒い家に住んでいる?高気密高断熱住宅が健康に優しい理由

家づくりの相談をしていると時々耳にします。

「マンション暮らしが長いので、一戸建てでの生活は寒いと聞くので不安です。」

これまでなら、「床暖房を入れましょう。」というのが唯一の提案でした。

時々、「薪ストーブは?」という提案はしたことはありますが、実際にはハードルが高いですね。

寒い冬、ガマンしてはいけない

日本人は我慢強いです。

私が子供の頃は、寒かったらたくさん着ておきなさいで済まされていました。

その昔、吉田兼好は徒然草で、「日本の家は夏涼しく過ごせるように考えないといけない、冬は着込めば我慢できる、夏の暑さは耐えられない」、と書きました。

実際、その頃は夏の方が亡くなる方が多かったそうです。

冷蔵庫もなく、食べ物にあたったりすることも考えられますが。

時代はそれから700年近く経った現代では、圧倒的に冬に亡くなる方のほうが多くなりました。

ここからも分かるように、冬の寒さは人間にはダメージがあるのです。

「冬は寒いのだから仕方ない、」と思ってしまえばそれまでなのですが。

ガマンして耐えているだけで大丈夫なのでしょうか?

どうも、世界の考え方は違うようです。

この考え方が正しいと思っているのは、日本だけかもしれません。

では、世界ではどうなっているのか、これからどうすればいいのか?を含めてお伝えします。

寒い部屋は日本人の想像以上に健康に良くない

寒い冬、少しでも暖かく快適に過ごしたいのは当然ですよね。

ところが、「どうするか?」と考えるところで、「寒さ」に対する考え方として、

・寒かったら、着こめばいい。
・こたつがあれば十分暖かい。
・エアコンがあれば暖かい。
・足元が寒いなら床暖房を入れよう。
・風邪をひくのは弱いからだ。

昭和的な考え方ですが、最近でもこんな感じだったかと思います。

今建っている少し古い家は、建てる側もこんな考えのもとで作られています。

欧米での寒さに対する考え方

ところが、世界では発想が全く違います。

WHO(世界保健機構)では、寒い季節に健康を守るために「室温18℃を強く勧告」としています。

イギリスでは、室温19℃以下は“健康リスク”がある。

ドイツでは、室温19℃以下は“基本的人権を損なう”と考えられています。

アメリカでは、州によって賃貸物件で維持しなければならない最低気温が定められており、 守れない場合は物件を改修しなければなりません。

簡単に言うと、低温の中での生活は「人間的ではない」と言っています。

私が住んでいる京都では古い町家で
したが、冬に暖房をつけようと室温を見たら1℃、2℃なんて平気でありました。

基本的人権も何もあったもんじゃないですね。

京都ですらそうなのですから、北日本にお住まいの方はなおさらではないでしょうか。

寒さによる健康リスク

低温による健康リスクは、お医者さんはよく知っています。

下記のようなものが挙げられます。

血液の濃化、つまり血がドロドロになり、詰まりやすくなる。

急激な血圧変動、特にお年寄りの血管に良くないのは明らかです。

高血圧性疾患、、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など血管が破れやすくなります。

呼吸器系の感染リスクが強まります。

冬寝る時は、寝具で暖かいから大丈夫と思っていませんか?実は、吸い込む空気も冷たいので、肺が冷え、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるそうです。

このようにお医者さん方はよくご存知なのに、日本の家が寒いままなのは良くないということで、最近テレビや週刊誌などで言ってくれるようになりました。

寒さを“ガマン”して鍛える以上に、“健康リスク”のほうが大きいのです。

若いうちはまだしも、40歳代以上になればそのリスクはより大きくなります。

「ガマンは美徳」と言っている場合ではありません。

日本は温暖地だから大丈夫は間違い

国による規制の話をさせてもらうと、「日本は温暖地だから当てはまらないのでは?」と言われることがあります。

本当でしょうか?

冬の最低気温の平均(1月)

京都        2.0℃
ドイツ・ベルリン -1.6℃
イギリス・ロンドン 4.3℃

さほど差がありません。

イギリスなんかよりも寒いです。

しかも、日本の冬は乾燥している。

実は、世界的にも温暖地の方が冬に亡くなる方の割合が多い傾向にあるそうです。

そのような国ではやはり高気密高断熱化が進んでいません。

日本と同じように、温暖地だからという油断があるのでしょう。

シートベルトなしの運転できますか?

突然ですが、あなたは車の運転されますか?

もしされない場合、運転者がシートベルト無しで運転している車に同乗できますか?

今や、多くの日本人はシートベルトは常識となりました。

これは法律でそうしなさいと決まっているから、というのもありますが、慣れてしまうとシートベルトをしないほうが怖い感覚になります。

最近では、エアバックも普通になり、更に自動ブレーキシステムも普及しだしています。

車の安全に対する対策は、技術的にも法律も日々進歩しています。

そのかいもあり、交通事故で方の数は亡くなる方の数は年々減少しています。

ところで、住宅で見てみると。

ヒートショックで亡くなる方の数。

年間19000人

実に、交通事故の4倍!

これは、亡くなられた方の数。

幸い命はとりとめても、日常生活に影響がある後遺症を残されてしまう方の数を含めれば相当な数の方がおられるわけです。

この数字は当然国も承知しています、にもかかわらず、日本の法律では断熱をしなさいという規制はありません。

実は2020年にようやく断熱が義務化される予定でしたが延期されました。

これでは、義務化されないなら断熱を良くする必要はない、と考えるのは車のシートベルトは義務でないならしなくてもいいと考えるのと一緒。

現状はそうなっています。

義務化されたからするでは遅いですね。

もう少し先に義務化された場合、今の基準で建てた住まいは大幅に価値が下がってしまいます。

それだけではなくご自身の命は、ご自身で守らないと、それどころか家は家族のためのものでもあるわけです。

健康に優しい住宅が高気密高断熱なわけ

このように、寒さに対する住宅の性能を上げることは、これからの家づくりに必須なのです。

断熱を良くして、少ないエネルギーで家全体の温度を保ち、その温めた空気を逃さないように気密を良くしなければいけません

それが可能なのが、高気密高断熱住宅なのです。

家全体の空気を暖めるのは、部屋と部屋の温度差を少なくするのが目的です。

既にお伝えしましたが、特に健康被害が大きい「あたたかい部屋」と「極端に寒いトイレや脱衣室」の温度差は命の危険に直結しています。

そのためにも、家全体を温め、家全体の温度差を少なくする事が必要なわけです。

高気密高断熱は、省エネだけでなく健康にも優しい住宅と言われる訳です。

高気密高断熱もピンきり

残念ながら、断熱が法規制されていない事もあり、高気密高断熱には明確な基準がありません。

従いまして、高気密高断熱を提供している側もピンからキリまであります。

ほんの少し断熱材を厚くして、窓を省エネ用の窓にするだけでも高気密高断熱と言うところもあります。

高気密高断熱住宅は、「断熱」「気密」「冷暖房」「換気」「採光」全てを計画しバランスを考え設計しなければなりません。

ひつでも欠けると、全てが台無しになってしまうのです。

ですから、実はハウスメーカーでも本格的に対応できるメーカーは数社しかありません。

本格的に提供している業者さんの数は、関東以西ではまだ各都道府県にも限定的で多くはありません。

本当の高気密高断熱住宅を提供している会社を見分けるには、今のところ建主さんがしっかり勉強して見抜かなければならないのが残念です。

私自身、お客様に工務店を紹介する立場上、常々アンテナを張って技術力の高い工務店を選んでいます。

『いい家のススメ』では、プロの目線でどうやっていい設計士、優秀な工務店を見分けるかの情報も発信しています。

参考にしていただければ幸いです。  

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