古い建物の想い
最近お受けするご相談の傾向として、新築建替えよりも、
リフォーム、リノベーションのご相談の件数が増えています。
当然、このところの景気悪化の為、大きなローンを組むのは不安、
と言ったご予算的な都合もあるのですが、
そうとも言いきれない内容も多くあります。
今風の真新しいピカピカの住宅を好まれる方だけでなく、
趣のある年月を経た空間の方が落ち着くと思われる方も、数多く
おられると思います。
ただ、そのような住まい方をしたくても、どこに行けばいいの?
一般のリフォームでは奇麗にはなるのだろうけど、折角の趣がなくなって
しまう。と、考えてしまわれようです。
そのような方々が何とかならないか?とご相談に来られます。
建築家の仕事は決して新築だけではありません。
その建物を診断し、適切な補修をし、尚且つ建物の良さを生かした再生設計も
仕事です。なにせ、空間を扱う事が一番の仕事ですから。
ところが、今の建築に係る法律はこのような風潮には逆行しています。
200年使える住宅を建てましょうと言いつつ、現行の法律は古い建物を生か
そうとすると、相当厄介です。
国、全体の方向としてはエコな訳ですから、このような古い建物よりは
壊して新しい建物の方が有利な法律はもう少し何とかならないかと思います。